今日の話は長いです。

あと、ちょっとわかりにくかったようなので書き直しました。






ノルウェーに来てからお世話になっている動物病院には男女の獣医さんが一人ずつ居る。

三頭は女性の獣医さんに診てもらっていたのだが、先月から産休でしばらく診てもらえなくなった。

その病院はいろいろな面で気に入っているし、男性の獣医さんにかかればいいだけの話なのだが、一つだけ難点があった。

家からちょっと遠いのである。




家のそばにも一軒獣医さんがあって、(と言うか一軒しかなくて)ここら辺の人は皆そこに入っているようなので、今回はそこに行ってみることにした。

やはり緊急の時は近い方が絶対いい。





元ちゃんはフィラリア陽性で、年に一度血液検査の必要がある。

フィラリアの検査は、大まかに言うと子虫と親虫の検査の二種類に分かれる。



日本だったら何事も無くやってくれるこれらの検査も、ここノルウェー(と言うかヨーロッパ北部)には、フィラリアを媒介する蚊がいないので一般的には行われない。


元ちゃんの場合、通常のフィラリア検査(幼虫の有無を調べる)はすでに陰性。

抗原検査(親虫の有無を調べる)をしてもらわなければならない。



病院について受付に出てきた獣医さんに、ドイツで受けた昨年の結果を見せ状況を説明すると、おもむろに看護師さんを呼びつけ、彼女に表のような物を持ってこさせてから二人で頭を突き合わせ何やら話しこみ始めた。

その後信じられないセリフが獣医さんから出た。



獣医さん 「普通の検査は10分ぐらいで出来ますよ。でも抗原検査は、ラボに聞いてみないとわからないけれど、多分ノルウェーではできないと思う。」

私 「えっ、でもドイツもフィラリア感染症無いけど、検査できましたよ。」

獣医さん 「そりゃドイツはに沢山ラボがあるからねぇ・・・」




今から思えばその時点で止めておけばよかった・・・

前の獣医さんは、「フィラリア抗原検査?出来ますよ。」って言ってたんだから・・・




ノルウェーでできなければサンプルをドイツまで送るから、とにかく採血しよう、と言う事になり、診療室に入って驚いたのは、部屋が汚い!

なんか嫌だなぁと思いつつも元ちゃんを診察台に乗せ、足の毛をジョリジョリ剃られて、針を刺されたのだけれど一向に血が出てこない。

しばらく針をグリグリしていたけれど、結局駄目で、一旦抜いて同じ足の違う部分にまた針をグサリ!

だけど、また全然血が出てこない!!

さらに針をグリグリされて、いつもは温厚な元ちゃんもちょっと暴れだした。

そりゃ、痛いよ。子供だったら大泣きだと思う。




獣医さんは元ちゃんに向かって「血液出して~」なんて暢気な事を言っている。

結局駄目で、もう一方の足から採血することになった。

毛を剃って針を刺して、だが再び全く血が出てこない!


さすがの獣医さんも焦り出して、針を抜き、看護師さんに腕を圧迫するバンドを持ってこさせて、それを付けて4回目にしってやっと採血できた。

よく考えてみたら、ドイツの獣医さんで何回も採血の場に立ち会ったけれど、あのバンドをしなかった事がない。


人間だってするし、あれは採血にマストアイテムじゃないのかぁぁぁ??



さらに驚いたことに、採血が終わったあと獣医さんは元ちゃんの両足の注射跡を自分の指で撫で、

「出血してないわね、大丈夫、大丈夫」と言って、消毒すらしてくれなかった。



最後になって「もう二度とここには来るまい!」と固く心に誓っていた私の怒りにさらに油を注ぐような事を、獣医さんがやってくれた。


「よく頑張った、ご褒美ね!」と言って、ドライフードを山の様にくれたのだけれど、手から食べさせたから獣医さんの掌は元ちゃんのよだれとフードかすでデロデロになった。

その手で元ちゃんの頭をゴシゴシと撫でたのだ。


一昨日シャンプーして奇麗だった元ちゃんの頭が、フードかすまみれに・・・


あ~、こういう無神経さには鳥肌が立つ。





夜になって元ちゃんは両足の注射跡を狂ったように舐めていた。

きっと不快だったのだと思う。

本当に可哀そうであった。




だけど、そのまま舐めさせておくわけにはいかないのでこうなった。



悲劇の追い打ち・・・

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ごめんよ、元ちゃん、

次はちゃんとした獣医さんに連れて行くから許してね。



オマケ ↓ ↓ ↓





マットさん、これをつけるとガチガチに固まるのであります。

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だから私が動いても顔の位置そのまま・・・

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